モバイル向け自動試験の効率化

スマートフォン向けのさまざまなサービス開発が盛んに行われる中で課題になった、試験作業の効率化。そこで当社は、2013年に通信キャリア様向けの試験業務に参画し、2014年に自動試験を導入、その後Android/iOS向けの第三者検証にて自動試験を実現しました。自動化プロセスの検討の中でOSSを用いた独自のプラットフォームを構築したことで、年間約70,000件の自動試験の実施を推進。現在も、自動化プラットフォームの拡張を通じた自動試験範囲の拡大や、充実したレポート機能による試験結果の見える化に取り組んでいます。

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Background

背景

多様なサービスが続々と生み出される中、試験の効率化が急務に

スマートフォンのラインナップ拡充が進み、多様なサービスのローンチが活発に行われる中、検証の実施規模やテスト期間の増加が課題に。そこで、当社では顧客ニーズも踏まえて試験の効率化に着手すべく、2013年にモバイルの試験業務に参画しました。今回特にポイントだったのは、“効率化”のための新たな一手として自動試験を導入したこと。それまでは効率化の有効な手立てとして、オフショア活用やテスタの育成に注力していましたが、それをシステムで解決に導けるように取り組みがスタートしました。

  • テスト自動化作業プロセス

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What we did

MSEがやったこと

コスト効率、ツールの拡充といった側面から
OSSを活用した独自の自動試験プラットフォームを実現。

2014年には自動化専任チームを設け、自動試験の導入を開始。それ以降、2018年にかけて、有償ツールを活用した自動試験のサービスの拡充に取り組んだものの、有償ツールは定常的にライセンス費が発生するためコスト効果が低く、ツールのカスタマイズにも制限があることから自動試験の拡大が一時頭打ちに。
そこで2019年以降、自動化のコスト効率向上を目指して実現したのが、ツールライセンス料フリーなOSSツールを活用した独自の自動試験プラットフォームです。さらに、これまでさまざまな有償ツールを駆使してきた知見を活かしながら自動試験に係るプロセスの再構築もあわせて実施し、「プラットフォームの構築」に止まらない、自動化試験全体の成功を支援しました。

  • MSE独自開発の自動試験プラットフォームに関する図

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Result

成果

プラットフォームとプロセスの最適化により、
35%もの自動化率と、7万件もの実績を達成。

OSSを用いた独自のプラットフォームと、自動化に向けた最適なプロセスの構築により、当部における自動化率は、2018年度の12%を起点に、2020年度には29%に、さらに2021年度には35%にまで向上し、実績は年間70,000件にも上りました。
また、並行してきた独自機能の拡充に関しても、開発当初に比べ、文字認識や指定領域画像比較、結果レポート出力といった機能が加わり、より効率的に多種多様な自動試験が実施可能なサービスへと成長しています。

  • 自動化率の表